動物感謝デー(世界獣医師デー)に参加しました。
2025年11月15日(土)に開催された動物感謝デーに参加して、狂犬病予防意識の啓発活動をしてきました。
今年はまた、上野恩賜公園の不忍池の辺りに戻っての開催となりました。当日は北風が少し冷たく感じましたが、よく晴れてたくさんの人が来場して賑わいを見せました。
私たちのブースにも多数の方が訪れ、啓発のためのクイズに答えていただいたり、アンケートに答えていただいたりしました。
今年は石川県から橋本良行獣医師が駆けつけてくださり、ブース活動を一緒に行なってくださいました。橋本先生、ありがとうございました。
クイズについては帰宅後友人やご家族で復習してくださることを期待して、用紙の裏面に解答例を記してお渡ししましたので、用紙を回収することができませんでしたが楽しんで学んでくださったようでした。
また、アンケートでは今回は「条例に定められている犬の咬傷事故」についての意識調査を行い、160名ほどの方が回答してくださいました。思ったよりも条例の存在をご存知の方が多く、咬傷事故が発生したら保健所に届けるということまでご存知の方も多くいらっしゃいました。こちらについては後日詳細をご報告したいと思います。
ブース内にはパネルも展示して説明をしましたが、狂犬病の犠牲になる人の4割は15歳未満の子供であることを伝えると、驚く人も多くいらっしゃいました。





令和7年度定時総会開催報告と特別講演
令和7年5月25日(日)午後2時より、ふれあい貸し会議室 八重洲加藤№14にて標記総会が開催され、第1号議案から第3号議案までが承認され、無事総会が終了しました。今年は役員改選の年でしたが、これまでの役員が引き続き会務を担うことが承認されました。
続いて、特別講演では、北海道大学 総合イノベーション創発機構ワクチン研究開発拠点 生体応答解析部門 特任助教 板倉 友香里先生 に「狂犬病制御に向けたワクチン研究」というテーマでご講演いただきました。この内容につきましては、会員限定で視聴が可能となっています。ご希望の方は当会までご連絡ください。メールアドレスは以下のとおりです。
info@jrabies.org

動物感謝デーイベントに参加しました。
2024年9月20日、東京都立駒沢オリンピック公園で開催された「2024 動物感謝デー in JAPAN “World Veterinary Day”」に参加して、ブースで狂犬病の恐ろしさや予防の大切さを伝える活動をしてきました。
当日は天気は晴れで気温も34度。来場する人や動物たちも暑くて大変そうでしたが、事故もなく無事終了できました。
ブースを訪ねてきた人は狂犬病のことを知らないと答えた人はいらっしゃいませんでした。しかし狂犬病で亡くなる人の半数は15歳未満の子供なんですとお話しすると、一様に驚いていらっしゃいました。ニュースレターでは詳しく報告できると思います。


世界狂犬病デー2022 in Japan「みんなで話そう、狂犬病予防注射」基調講演で出された質問への回答
質問に対する回答について
当日、基調講演について3つの質問がありました。
以下に回答します。
質問1. 野生動物に狂犬病がまん延している場合でも、70%のワクチン接種率で流行は防げるのですか?
- 中嶋先生の回答
米国では、野生動物のマングース、アライグマ、キツネ、コウモリなどのコロニーで狂犬病が流行しています。これをまん延といってよいかどうかわかりません。米国では犬も多数飼育されていますが、犬ではまん延はしていないと考えています。日本と米国では方法論が異なるかもしれませんが、米国のある地域のデータでは7割の飼い犬に狂犬病予防注射をすることで犬での流行は抑えられていると聞いています。
- 井上顧問の回答
犬の狂犬病が流行している地域の犬に70%のワクチン接種が行われていれば流行の拡大が阻止されることが報告されていますが、ワクチン接種を何年も継続してようやく収束に向かうことを忘れてはなりません。日本は他の施策とあわせて7年をかけて清浄化を達成しました。ワクチン接種されていない30%の犬は狂犬病に感受性の動物であることも記憶にとどめておいて下さい。
野生動物についてはワクチン接種の効果についてほとんど知見がありません。また、ワクチンを接種することは大変困難であると考えられます。野生動物に流行している狂犬病を経口ワクチンによって制圧することに成功した事例があります((北米のコヨーテと西欧のキツネなど)。毎年、経口ワクチンを大量に流行地域に空中散布して長い年月をかけて制圧に成功しています。動物種で異なるようですが、経口ワクチンで40%ぐらいが免疫を獲得できるようです。なお、アメリカ大陸で流行しているアライグマについても経口ワクチンが開発されていますが流行の終息に成功していません。拡大を阻止することには効果があるようです。台湾でイタチアナグマの狂犬病が見つかっていますが、既存の経口ワクチンは食性が異なっていたため食べなかったため、新しくイタチアナグマが食べるワクチンを開発したと聞いています。
質問2. 感染拡大の早期封じ込めに緊急ワクチン接種が有効とのことですが、人用、犬用それぞれどれくらいのワクチンの備蓄があるのでしょうか。今の体制で緊急ワクチン接種はすぐに行えるのでしょうか。
- 中嶋先生の回答
先ほど井上顧問の話された野生動物へのワクチンについて日本に準備があるのかどうかは、今現在知るところではありませんが、常日頃から野生動物用のワクチンを準備しておくことは実際問題として困難であると考えます。もしかしたら、そういったことが起こるかもしれないと考えて、対応を用意しておくことが実際的かと思います。
- 杉山副会長から
現在は人用ワクチンの国内生産はされていません。グラクソスミスクライン社の「ラビピュール」というワクチンが輸入されています。本数は約5万本程度ということです。人用については、緊急時に備えて流通コントロールしているということです。
国内の動物用ワクチンについては平成30年度の農林水産省による国家検定合格数量より、5,068,970頭分のワクチンが製造されています。一方当該年度の注射数(済票交付数)は4,441,826頭でしたので、備蓄ではありませんが627,114頭分のワクチンが余った計算になります。しかし、同年度の登録数は6,226,615頭ですので全頭が接種という仮定では逆に不足していることになってしまいます。
質問3. これまで日本国内で猫の狂犬病発症例はありますか?
- 佐藤会長から
上木英人氏著の東京狂犬病流行誌によると、昭和22年から31年までの間に
ネコ 15頭
ラマ 2頭(昭和19年上の動物園内のつがい)
ウマ 2頭
計19頭が報告されています。いずれも犬からの感染です。
これらは東京都のデータです。他の道府県については不明です。
世界狂犬病デー2022 in Japan ご案内 「みんなで話そう、狂犬病予防注射」
2022年9月27日
開催要領
- 日時 :2022年10月30日(日)14時から16時まで
- 方法 :Zoomを用いたオンラインセミナー
- 対象 :獣医師(開業、公衆衛生勤務等)、自治体職員等
- 参加費 :無料(事前登録が必要です。)
- 内容
- 基調講演:「我が国における狂犬病予防対策の経緯と今日の現状を踏まえた将来の予防対策のあり方について」
元厚生労働省結核感染症課狂犬病担当室長 中嶋建介先生(現長崎大学 教授)
- 全国アンケート調査結果について
- パネルディスカッション;「みんなで話そう、狂犬病予防注射」
パネラー: 岩手県:多田洋悦先生 茨城県:古川 晶先生 長野県:上原幸久先生
石川県:橋本良行先生 大阪府:佐伯 潤先生
(公社)日本獣医師会、環境省、厚生労働省、東京都、農林水産省
参加申し込み
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メールアドレス (ファックス番号) |
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基調講演視聴希望 |
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パネルディスカッション参加 |
はい ・ いいえ |
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- 返送先 :info@jrabies.org までメールか、03-6279-3167までファックスでお願いします。
- 申込用QRコードからもお申込みいただけます。
- 締め切り:2022年10月22日(土)
- パネルディスカッション・討論会参加の条件 参加者間での討議を予定しています。そのため音声のみでの参加はできかねますことをご承知ください。
- ご参加の際の水分補給はかまいませんが、環境省のご指導により、紙・紙製品、木材・木材製品、プラスチック・プラスチック製品、繊維・繊維製品、包装材等の使用による焼却廃棄物が最少になるようご努力くださいますようお願いします。
狂犬病セミナー2022(5月22日開催) 質問に対する回答集
2022年5月22日に開催しましたウェブセミナーには多数ご参加くださいましてありがとうございました。セミナーで寄せられましたご質問につきまして、以下のようにまとめましたので回答させていただきます。なお、私たちはあくまでも狂犬病予防意識の啓発のために集まった者であり、何か権限を持つものではありません。国や自治体の公式な考えや方向性につきましてはそれぞれにお尋ねくださるようお願いします。
Q1:日本における野生動物の狂犬病モニタリングは、将来的に行うということでしょうか?
A1:2013年、台湾で野生動物間に狂犬病が流行していることが確認されましたが、それはすでに始められていた野生動物の狂犬病サーベイランスによるものでした。当時、日本では狂犬病のモニタリング体制が整備されていなかったため、2014年に厚生労働科学特別研究事業において、国内で動物の狂犬病検査を実施する場合の標準的な手法を定めるために、対象動物の選定方法等、具体的な内容について検討が行われました。厚生労働省はこの研究成果を踏まえて、「国内動物を対象とした狂犬病検査実施要領」を取りまとめて全国の関係自治体に通知しています(健感発0804第1号)。それ以降、自治体において野生動物のモニタリングの体制整備が進められていると聞いています。
Q2:経口ワクチンの有効性はどれくらいでしょうか?
A2: 科学的な知見自体がまだまだ乏しいためお示しするのが難しいところです。野生動物の場合、どれくらい抗体価が上昇したかというのは、経口ワクチンをどれくらい摂取したかということも考慮する必要があり、単純に抗体価を調べることでどれくらい有効か(上昇したか)ということを調査することは難しいのが現状です。一方で、イスラエルの調査では1998年から2004年の間に55%でバイオマーカー(テトラサイクリン)が骨から検出され(つまりワクチンを経口摂取したという意味), 284匹中66匹(23%)で抗体陽転が認められたという報告もあります(Yakobson, B. A., 2006, Developments in Biologicals)。また、striped skunkは抗体価が上がりにくいという報告もあり、動物種によって異なることが知られています(Fooks A. R., 2020 Rabies fourth edition)。
野生動物とは異なりますが、犬ではSPBN GASGAS株の経口ワクチンの摂取後56日目の血清疫学的調査によって約78%がELISA法で抗体陽転が認められたという報告もあります(Umberto M., 2021, Front Vet Sci)。
Q3:コウモリというのは、種は特定されていますか?
A3:北米では小型の食虫コウモリが、南米では吸血コウモリで、狂犬病が流行しています。(出典:モダンメディア64巻6号213-219 2018 西園)
Q4:日本の野生動物密度は海外並みに多いのですか?
A4:日本国内においても、市街地と郊外で野生動物の密度が異なるのと同様に、海外においても地域ごとにばらつきがあると考えられます。数理的に比較できるデータを当会では持ち合わせておりません。
なお、海外で狂犬病が流行しているアライグマやキツネ等は日本にも生息しています。特にアライグマはかつて輸入された外来種であり、飼育されていたものが逸出や放逐等により野生化し、その繁殖力の強さから生息地域が日本全国に拡大したものです。
Q5:日本国内に狂犬病ウイルスが拡大するとしたら、台湾のように犬から広がる可能性が高いのでしょうか?それとも、そこまで推測することは現時点では難しいのでしょうか?
A5:台湾では犬から野生動物に狂犬病が広がったわけではありません。2013年の台湾の事例では、野生のイタチアナグマの間で狂犬病が流行し、ほとんどはイタチアナグマ間で維持されていたと思われますが、一部で他の動物種に伝播したものがあったようです。同年9月には、狂犬病陽性のイタチアナグマに咬まれた飼育犬1頭が経過観察25日目に狂犬病を発症した例が報告されています。(出典:獣医疫学雑誌18(1)11-17 2014 井上ら)現在、イタチアナグマの狂犬病ウイルス株は犬に定着して流行している状況にはなっていません。
Q6:日本におけるモニタリングで第3優先種のコウモリは、どの種でしょうか?
A6:「動物の狂犬病調査ガイドライン」(平成25年度厚生労働科学特別研究事業を基に策定)に基づき、各自治体は狂犬病検査を実施していますが、本ガイドラインに示された調査対象動物種の優先リスト(暫定版)においては、クビワオオコウモリ、キクガシラコウモリ、クロアカコウモリ、アブラコウモリ、ウサギコウモリが列挙されています。
Q7:国内の野生動物の調査で第1から第3まで優先順位が示されていますが、この優先順位は国内での生息数等を考慮して定められたものなのでしょうか?どのように優先順位を定めたのか教えて下さい。
A7:日本に生息している野生動物のうち、海外で狂犬病が流行している野生動物を第一優先種としています。なお、海外において狂犬病流行の維持には関わりませんが、感染の報告が多い動物種を第二優先種としています。また、近年、極東ロシア、台湾、スリランカでコウモリから新種のリッサウイルスが報告されていることや、コウモリが船舶や航空機貨物等に紛れて侵入する事例のあることを鑑みて、第三優先種にコウモリが加えられています。
Q8:アメリカでコウモリ株が定着しない理由については、どのような考察がありますか?
A8:南北アメリカ大陸の多くのコウモリで狂犬病が流行しており、毎年コウモリから感染して狂犬病でなくなったヒトや動物が報告されています。
Q9:経口ワクチンは、生ワクチンという理解でおりますが、野外株とワクチン株との区別はどのような手法で行われますでしょうか?
A9:経口ワクチンのほとんどは弱毒生ワクチンになります。これらの多くの弱毒生ワクチンは決められた実験室株(固定毒株)を用いるようにOIEで定められており、そのためワクチン株と野外で流行しているウイルス株の遺伝子配列は異なります。従って狂犬病を発症した動物の遺伝子配列を特定することができればワクチン株との区別が可能になります。なお、別のウイルスに狂犬病ウイルスのG蛋白質を発現させて狂犬病が発症しないワクチンもあります。
Q10:西側諸国への野生動物の流行の浸潤を抑えているとのことですが、西側諸国での野生動物や伴侶動物での発生はあまり認められていないと考えていいのでしょうか。
A10:欧米では、犬を中心としたいわゆる都市型の狂犬病は犬への狂犬病予防注射の接種等によりほぼ制圧されたと考えられています。一方、森林地帯を中心に野生動物には狂犬病の流行が続いており、家畜が咬まれて感染する等の被害が発生しています。(最後にかかる出典は、獣医疫学雑誌17(2)132-137 2013 小澤)
Q11:アメリカでは狂犬病ワクチンも3年有効だったと思いますが、今後日本国内での対応はどうなるでしょうか?
A11: 3年有効とされているワクチンも最初のワクチンの1年後のブースターは必要で、あとはメーカーの指示に準ずるとのことです(Brown C. M., 2016, J Am Vet Med Assoc)。ちなみにアメリカ国内で流通しているワクチンは32品目あってそのうち11品目が3年有効のようです。一方、日本国内で使用されているワクチンは少なくとも2年間は抗体価が下がらないとの報告(Watanabe I., 2012, Jpn J Infect Dis)もあるのですが、現行の狂犬病予防法では毎年1回の接種が義務付けられていますので、アメリカのように3年毎に行うようになるには、血清疫学的な調査による根拠を集めていくことが必要だと考えられます。
